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とんぼ院長の目
8月です。猛烈に暑い日が続いています。
今年は熱中症の方が多いです。もう3回倒れたという方もおいでました。体温という一線を超すと危険なのでしょう。熱中症の頭痛、吐き気,めまいにある程度五苓散が効きます。試したことはないですが、二日酔いと同じように暑いところで作業する際に前もって服用しておくと予防になるかもしれません。使ったことはないですが熱中症の高体温には白虎加人参湯が効くとのことです。
先日ご家族に怒り散らすことがたびたびあるとのことで治療を始めた双極性障害の方が2度目の再診でおいでました。大分気分の変動が減り穏やかになってご家族は喜んでいました。患者さんがこの薬を飲んげいると「おかま」のようになりはしないかと質問してきて虚を突かれました。穏やかになり相手のことを思んばかれるようになったことに対する違和感なのでしょう。そのかたはおそらく強そうにしていて時々怒るというのが男らしい、つまりいいことだという思いだったのだろうと想像します。なんと固い鎧をまとって生きてきたのでしょうか。この方に限らず会社などで強圧的な態度で周囲を傷つけている方は多いです。女らしいという言葉もあまり好きではないですが、男らしいという言葉は大嫌いです。本当に男らしいというのは、大丈夫なら全てを任せて問題があったらだまって自分の責任でことにあたるということでしょうが、それは男女には関係ないと思います。歴史上強圧的に支配をしようとした国は失敗して短命に終わっています。自由を与えて支配した国は長命なことが多いです。歴史に学ぶことは多いです。
最近混み合うことがあり、待ち時間が長くなっていることが多く、ご迷惑をおかけして申し訳なく思っています。できるだけ元気を振り絞り早く診療をするように心がけていますが、体調不良や気のゆるみでちょっとペースが落ちたり、患者さんがちょっと多くなったりすると、とたんに待ち時間が長くなってしまいます。来春(3月?)には息子の恵悟が帰って2人体制になる予定です。それまで今しばらくご容赦ください。(8月1日)
9月になり、朝は少し秋めいてきましたが、日中はまだまだ暑い日が続いています。お気を付けください。
最近微うつ、男性更年期などが話題になることが多いようです。更年期とは女性の50歳前後5年くらいを指します。この時期急激に女性ホルモンが減少して、閉経となり、ホットフラッシュをはじめとするいろんな症状が出てくることがあり、それを更年期障害といいます。ホルモン減少だけでなく社会的にストレスを受けることが多くなりますし、ストレスに弱くなることもあり、原因はさまざまでしょう。
男性の場合はホルモン減少は個人差が大きく、現象スピードもゆっくりのため、更年期と言っていいのが意見が分かれるところです。元気で活動的な人は血中男性ホルモンレベルが高いです。高いから元気なのかもしれませんが、むしろ活動量が多く、筋肉量が多いため筋肉から出るホルモンが多いのではないかと思います。若さが大きな価値を持つ米国では、男性ホルモン補充が盛んですが、日本人の方が長生きで、高齢者も元気です。男性ホルモンは心臓病などの副作用もあり、ドーピングで厳しく規制されています。ホルモン減少は老化の一つで、どうしょうもないことでしょう。男性ホルモンを補充しても必ずしも効果があるとはいえず、むしろ抗うつ剤が良く効くことから、その主体は初老期うつ病だろうと思います。
1日の朝日新聞に鎌田先生が書かれていましたが、ご自身は運動で良くなったとのことです。運動は肉体的には疲れるかのしれませんが、精神的には疲れを取ってくれてすっきりします。運動療法は効果が確実です。運動は老化を予防し、いろんな癌の予防になります。健全な肉体に健全な精神が宿ると言いますが、健全な肉体が無いと健全な精神が宿れないとも言えるのでしょう。これから秋になり気候が良くなってくるので、皆様ぜひ体を動かしましょう。
相変わらず外来が混み合うことが多くご迷惑をおかけしています。ゆっくりお話しできないことが心苦しいです。来年3月長男が帰ってきてくれて楽になることを心待ちにしています。(9月5日)
10月になってやっと秋めいてきました。
先日また当院受診歴のある方が亡くなっていたと警察から連絡がありました。カルテを出してみると3‐4か月前2回うつで受診され、薬を処方しましたが飲んでいただけず、近くの病院で診てもらいたいとのことで、近隣の医療機関をご初回した方でした。ご返事がなかったことより、おそらく紹介先の病院に行かず、うつが悪化して自殺したのではないかと思われます。
うつの方で薬を服用したがらない方ほ時々おいでます。うつの方は不安感が強く、副作用や習慣性を心配されるのでしょう。精神安定剤と違い抗うつ剤は習慣性はありません。薬によっては断薬症状があり止めにくいものがありますが、私は患者さんが止めたい時に止められるようそういう薬は使わないようにしています。飲み始めに独特の副作用があるので、使い方に工夫がいりますが、長期の副作用は多くありません。
最近は良く効く薬が出てきて薬でうつを直せる時代になってきました。今は米国精神医学会の精神病診断分類(今はDSM-5)で診断していくことが多いですが、もともとDSMができたきっかけは、いろんな良く効く薬が開発されてきてその効果を判定する際、診断が医者によってばらついたら効果判定が正確にできなくなるのが困るためにできたものです。そのくらい薬の効果が上がってきてており、そのため心療内科という科が成立しという経緯があります。
もちろん良くなればいいのです。ストレスを避け運動すると良くなるのですが、良くなるまでに時間がかかりますし、効果も不安定です。薬は効果が早く有効性も高いので使うのです。カウンセリングは認知の歪みのある方には特に有効ですが、時間と費用がかかります。薬は良くなって一定時間たったら減量して中止していきます。たくさんの方が良くなって薬がいらなくなっていますが、残念ながら再発される方もおいでます。前の経験があるので早く気付かれる方が多く、早く対処したら早く良くなることが多く、次第に再発しにくくなってきます。
不眠が2週間続いたらおかしいです。疲れが取れないのがひどくなってきたらおかしいです。好きなことができなくなったらおかしいです。おかしければ医療機関にかかって相談するとよいでしょう。
インフルエンザ予防接種は10月16日ー12月21日におこないます。予約不要です。65歳以上は1,100円、13歳未満は1回目3,000円、2回目2,500円、一般3,000円です。新型コロナウイルスワクチンは予約が必要です。ご連絡ください。(10月3日)
11月になりました。日は短くなりましたが、気温は快適で気持ちがいいです。
最近クリニックが混み合い、待ち時間が長くなりご迷惑をおかけしています。11月末か12月初めより息子の恵悟と一緒に診療することになりました。2診体制になるので、混雑は軽減すると思います。それまでもうしばらくご容赦ください。恵悟が患者さんに慣れるまで、少しギクシャクするかもしれませんが、長い目で見てやっていただきたいと思います。また診察室増設工事に伴い一時的に騒音が出るかもしれません。ご容赦ください。
最近よく新型コロナウイルスワクチンを打ったほうがいいかたずねられます。実は私も悩んでいます。新型コロナウイルスは変異が早く、今流行している株は、従来の免疫から逃れるように変異をしています。そのため大きな流行の波になるのです。ということは次に流行する株は今のワクチンによる免疫から逃れるように変異した株になる可能性が高く、ワクチンの効果は少ない可能性が高いと思われます。重症化予防効果は、以前の強力株の時期のデータはありますが、最近の弱毒株の時期のはっきりと有効性を示すデータはなさそうです。最近は軽症化してきてほとんど熱もなく、症状の軽い方が多いです。高熱をだして、すごくしんどそうなかたは減ってきています。私はワクチンを打つと熱がでるので、感染しても軽症、打ったほうか得か悩ましいです。
インフルエンザより新型コロナウイルス感染で死亡した方が多かったという報道がありました。新型コロナウイルス感染が多く、そのためかインフルエンザにかかる方が相対的に少なかったためでしょうか。また新型コロナウイルス感染の薬があまり効かないということを示しているのかもしれません。
何回か感染して基礎免疫が付いた方が多くなったために、しだいに軽症化して無症状の方も増えてきています。知らないうちに軽症の方からのウイルスに暴露され、それがワクチンとなって重症化しないというのが従来型のコロナウイルス感染です。新型コロナウイルス感染はそういうことになっていく途中だと思います。外来診療をしているといろんな風邪をひきますが、非常に軽症です。だから今どんな風邪が流行っているか実体験でも分かります。少しずつウイルスを患者さんからもらい免疫が付いてきているのでしょう。外来に従事している職員も同様です。ウイルスとの付き合い方はそういうものだと思います。でも万一感染して患者さんに迷惑をお掛けしたらいけないので、ワクチンを接種しそうな気がしています。
私も年をとってきて、頭の回転が遅くなりミスも増えてきました。何か気か気がついたら遠慮なくおっしゃってください。できる間は診療するつもりですが、少しずつ次の世代に後退していく必要があるでしょう。(11月1日)
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