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とんぼ院長の目
4月になり桜がきれいに咲いています。
暖かくなりインフルエンザや新形コロナウイルスにかかられる方はほとんどいなくなりました。
昨年末から禁煙治療の飲み薬が再び使えるようになり時々禁煙治療を希望される方がおいでます。
タバコは日常生活で出会う最大の発がん物質です。動脈硬化や老化し進めます。小さい子供の受動喫煙は喘息やかぜ、気管支炎、肺炎にかかりやすくなり、肺の発育障害をきたして、大人になった時に慢性閉そく性肺疾患(COPD)になりやすくなります。もちろん喫煙者本人も各種ガン、脳卒中、心筋梗塞、喘息、COPD、歯周病などになりやすくなります。また子供が真似をして喫煙者になりやすいです。加熱式タバコにも多くの有害物質が含まれており、恐ろしいことにその危険性はまだ明らかではなっていないのです。
飲み薬の禁煙治療剤は意識を失った方がいたため、自動車運転などの危険な作業をすることが禁じられています。車の運転禁止が」この薬を使う時の障害になりなかなか使う方が増えません。禁煙学会が規制緩和を厚労省に申し出たがダメだったそうです。最終的な禁煙率は貼り薬と大差ないとのことですが、最初の1週間はタバコを吸いながら治療を始められますし、タバコを吸いたくなくなるので楽に禁煙できるのですが仕方がないです。
治療薬を使うと肉体的な禁断症状を無くするので楽に禁煙できます。精神的依存、つまり吸いたい気持ちはなかなかなくならないので2‐3か月の治療期間が必要になります。最後まで治療を続けたほうが禁煙率は高くなります。禁煙もつらいのですが禁煙を維持することもつらそうです。何かの折に1本吸ってしまったら、そのまま吸い続けることになり喫煙者に戻ってしまいます。禁煙に成功した方で1年後禁煙できている割合は半分だそうです。禁煙は何回もする必要があります。禁煙治療失敗した場合1年間は保険が使えません。最低1年間はがんばってもらわなければいけません。
未成年者も禁煙治療の適応になります。先日中学生の禁煙治療をする機会がありました。喫煙時期が若ければ若いほど肺などの障害が大きくなります。薬を調べたところ若年者に使えるかが不明でした。メーカーやあちこちに問い合わせても18歳以上なら使えるがそれ以下は保険では使えない、との回答でした。結局親御さんと相談して自費で治療を行いました。
また先日禁煙治療中、呼気中の一酸化炭素濃度がタバコを吸ってないにもかかわらず7ppmと下がらなかった方がおいでました。ご本人は絶対にタバコは吸っていない、近くにヘビースモーカーや古いエンジンの機械はない、と言われました。良く聞くと石油ストーブを使っているのですが、全く換気をしていないとのことでした。換気せずストーブを使うとその部屋の空気は喫煙者の呼気と同じ位汚染されていることを知りました。喫煙者の呼気と同じ濃度ということは、タバコを吸った時の吸気の濃度よりも濃い有害物質を24時間吸っていることになります。恐ろしいことです。
皆様タバコはぜひ早くやめましょう。(4月1日)
5月になり色とりどりの新緑がきれいです。この時期の森が一番美しく、大好きです。
やっと花粉の飛散が減ってきました。今年は花粉症のひどい方が多かったです。花粉量が多かったのでしょうか。喘息になる方も多かったです。下花粉症になると喘息になりやすいと言われますが、私の印象ではそんなことはないです。そもそも杉やヒノキの花粉はサイズが大きく気管までは届きずらいはずです。鼻でキャッチされるため鼻アレルギーが多くなると理解しています。今年喘息になる方が多かったのは気管支炎を起こす風邪が多かったせいではないかと思います。花粉症がひどく口呼吸する方が多かったせいかもしれません。今でも咳喘息になる方が結構おいでます。咳喘息になると咳止めがあまり効かず、抗ヒスタミン剤や喘息の薬が必要になります。
最近は眠気の無い抗アレルギー剤が人気があります。新しい薬は効果もいいようです。眠気は個人差が大きくなんともないかたもおいでれば、すごく眠いかたもおいでます。子供は眠気に強いと言われますがよくわかりません。花粉症がひどく抗アレルギー剤が十分に効かず眠気に弱い方は鼻スプレーが有効です。市販の血管収縮剤スプレーは即効性があるのですが、連用すると逆に症状を悪化させるので注意が必要です。それでも症状がひどい方は小青竜湯、麻黄湯、五虎湯などの漢方薬を使います。これらは眠気をさます効果があります。小青竜湯は一番使いやすいですが、酸っぱい味が子供さんは苦手のことが多いです。錠剤が飲める子供さんは錠剤、だめなら甘くて苦みのある物、チョコレートペースト、抹茶アイス、ココア等を使うと飲めます。恵悟は薬が苦手でよく抹茶アイスを使いました。その恵悟は自分の子供にココアやチョコレートペーストを使っています。寝る時鼻が詰まって寝にくいなら寝る前に麻黄湯です。不眠症に要注意ですが。すごくひどい方は小青竜湯と五虎湯を一緒に飲むといいです。胃が弱い方は胃痛や胸やけがでるかもしれません。もし胃にこたえるなら五虎湯と二陳湯を一緒にします。五虎二陳湯といいます。ちなみに小青竜湯と五虎湯を一緒にすると竜虎湯といいますが大阪の先生は虎竜湯といいます。阪神、中日ということです(笑)。
これからはイネ科植物の花粉が飛びます。こうして年中鼻炎のかたもおいでます。
副作用の少ない薬を上手く使って快適に過ごすことです。杉に関しては舌下免疫療法が有効です。ただ症状の無い時期もずっと長期に毎日舌の下にいれ続けないといけないのと抗アレルギー剤が良くなってきたので舌下免疫療法をする方は少数です。今杉の舌下免疫療法剤の入手が困難です。ダニの舌下免疫療法は喘息たアトピー性皮膚炎に有効です。恵悟が使用資格を取っています。気楽にご相談ください。(5月1日)
6月です。暑くなり嫌な夏が近づいてきています。皆様お変わりありませんか。
私は先週4-5年ぶりに発熱しました。診察を始めたら首がつかえてきて少し寒気がしました。風邪をひいたかと思い葛根湯を飲みました。37.1度。だんだん寒気がひどくなり右手がしびれてきたため慌てて麻黄湯を飲みました。30分ほどで寒気は軽くなってきましたがだるいのは変わらず、熱は39.8度。どうしようかと考えました。大青竜湯がいいのですが、これを飲むと私は尿が出にくくなります。もし尿が全く出なくなったたら(尿閉)診察を止めないといけなくなります。そこで麻黄湯を2時間毎に飲むことにしました。5回飲んで38.7度、なかなか下がらず汗もほんの少し出るだけです。そこで帰宅してから体を温めて汗をだすために風呂に入りました。すると汗がでてきて楽になってきたので麻杏甘石湯と桂枝湯に変更して床につきました。1時30分に起きた時少し楽でしたが吐き気がありほとんど食べられず38.1度。もう一度麻杏甘石湯と桂枝湯を飲み寝ました。5時に起きた時はすっきりして吐き気はなく朝食を摂り37.8度。もう一度麻杏甘石湯と桂枝湯を飲みクリニックに来たら37.5度。しんどさは取れてきて気分は良くなりました。その後微熱に小柴胡湯2回、首の凝りに葛根湯1回、頭痛に川きゅう茶調散2回飲み、夕方にはすっかり良くなり、翌日は普段通り自転車で80km走ってきました(さすがにいつもよりは疲れましたが)。
こんなに早くすっきり治るのは漢方薬ならではです。有効な治療薬の無いウイルス感染の治療は漢方薬の独壇場です。西洋薬は消炎鎮痛剤のせいか治るのが遅く、治った後がしんどいです。ただ漢方薬は症状にきちんと当てないと効きませんがこれがむつかしい(笑)。たまに逆に悪くすることがあります。例えば汗を出させすぎてしんどくなる、こんな時の処方もちゃんとあるので昔から治し損ねて慌てるということはしょっちゅうあったのでしょう(笑)。
今回の私の経過は典型的でしたが、中には汗が出て喉が渇き水分を摂るが体が焼けて暑く高熱が続くことがあります。熱症、傷寒論では陽明病という状態です。こうなると熱を冷ます白虎加人参湯や銀ちょう散(桔梗石膏と清上防風湯)が必要です。便が固くなり便秘して腹が張り痛むなら承気湯類、体力によりますが強いものから大承気湯、調胃承気湯、小承気湯(麻子仁丸で代用)で便を出すと熱は下ります。ただ実際は非典型例も多く、例えば熱は高く体は焼けるが汗は出ない場合は葛根湯に白虎加人参湯や桔梗石膏を加えるそうです。
今回私が麻黄湯を頻回にのんでも汗が出ず良くならなかったのは大青竜湯と違い麻黄湯が弱いのと、もっと体を温める必要があったためと思います。汗は出ないが体は焼けてなかったので陽明病でなくまだ太陽病だろうと思い風呂に入ったのは正解でした。
風邪の時風呂に入ってかまわないか尋ねられますが、体が焼けて熱い時は止めたらいいです。寒気がする時は入ったらいいです。とくにさむくてガタガタ震える(悪寒戦慄)時に風呂に入るとすごく楽になります。(6月1日)
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