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とんぼ院長の目
5月になり色とりどりの新緑がきれいです。この時期の森が一番美しく、大好きです。
やっと花粉の飛散が減ってきました。今年は花粉症のひどい方が多かったです。花粉量が多かったのでしょうか。喘息になる方も多かったです。下花粉症になると喘息になりやすいと言われますが、私の印象ではそんなことはないです。そもそも杉やヒノキの花粉はサイズが大きく気管までは届きずらいはずです。鼻でキャッチされるため鼻アレルギーが多くなると理解しています。今年喘息になる方が多かったのは気管支炎を起こす風邪が多かったせいではないかと思います。花粉症がひどく口呼吸する方が多かったせいかもしれません。今でも咳喘息になる方が結構おいでます。咳喘息になると咳止めがあまり効かず、抗ヒスタミン剤や喘息の薬が必要になります。
最近は眠気の無い抗アレルギー剤が人気があります。新しい薬は効果もいいようです。眠気は個人差が大きくなんともないかたもおいでれば、すごく眠いかたもおいでます。子供は眠気に強いと言われますがよくわかりません。花粉症がひどく抗アレルギー剤が十分に効かず眠気に弱い方は鼻スプレーが有効です。市販の血管収縮剤スプレーは即効性があるのですが、連用すると逆に症状を悪化させるので注意が必要です。それでも症状がひどい方は小青竜湯、麻黄湯、五虎湯などの漢方薬を使います。これらは眠気をさます効果があります。小青竜湯は一番使いやすいですが、酸っぱい味が子供さんは苦手のことが多いです。錠剤が飲める子供さんは錠剤、だめなら甘くて苦みのある物、チョコレートペースト、抹茶アイス、ココア等を使うと飲めます。恵悟は薬が苦手でよく抹茶アイスを使いました。その恵悟は自分の子供にココアやチョコレートペーストを使っています。寝る時鼻が詰まって寝にくいなら寝る前に麻黄湯です。不眠症に要注意ですが。すごくひどい方は小青竜湯と五虎湯を一緒に飲むといいです。胃が弱い方は胃痛や胸やけがでるかもしれません。もし胃にこたえるなら五虎湯と二陳湯を一緒にします。五虎二陳湯といいます。ちなみに小青竜湯と五虎湯を一緒にすると竜虎湯といいますが大阪の先生は虎竜湯といいます。阪神、中日ということです(笑)。
これからはイネ科植物の花粉が飛びます。こうして年中鼻炎のかたもおいでます。
副作用の少ない薬を上手く使って快適に過ごすことです。杉に関しては舌下免疫療法が有効です。ただ症状の無い時期もずっと長期に毎日舌の下にいれ続けないといけないのと抗アレルギー剤が良くなってきたので舌下免疫療法をする方は少数です。今杉の舌下免疫療法剤の入手が困難です。ダニの舌下免疫療法は喘息たアトピー性皮膚炎に有効です。恵悟が使用資格を取っています。気楽にご相談ください。(5月1日)
6月です。暑くなり嫌な夏が近づいてきています。皆様お変わりありませんか。
私は先週4-5年ぶりに発熱しました。診察を始めたら首がつかえてきて少し寒気がしました。風邪をひいたかと思い葛根湯を飲みました。37.1度。だんだん寒気がひどくなり右手がしびれてきたため慌てて麻黄湯を飲みました。30分ほどで寒気は軽くなってきましたがだるいのは変わらず、熱は39.8度。どうしようかと考えました。大青竜湯がいいのですが、これを飲むと私は尿が出にくくなります。もし尿が全く出なくなったたら(尿閉)診察を止めないといけなくなります。そこで麻黄湯を2時間毎に飲むことにしました。5回飲んで38.7度、なかなか下がらず汗もほんの少し出るだけです。そこで帰宅してから体を温めて汗をだすために風呂に入りました。すると汗がでてきて楽になってきたので麻杏甘石湯と桂枝湯に変更して床につきました。1時30分に起きた時少し楽でしたが吐き気がありほとんど食べられず38.1度。もう一度麻杏甘石湯と桂枝湯を飲み寝ました。5時に起きた時はすっきりして吐き気はなく朝食を摂り37.8度。もう一度麻杏甘石湯と桂枝湯を飲みクリニックに来たら37.5度。しんどさは取れてきて気分は良くなりました。その後微熱に小柴胡湯2回、首の凝りに葛根湯1回、頭痛に川きゅう茶調散2回飲み、夕方にはすっかり良くなり、翌日は普段通り自転車で80km走ってきました(さすがにいつもよりは疲れましたが)。
こんなに早くすっきり治るのは漢方薬ならではです。有効な治療薬の無いウイルス感染の治療は漢方薬の独壇場です。西洋薬は消炎鎮痛剤のせいか治るのが遅く、治った後がしんどいです。ただ漢方薬は症状にきちんと当てないと効きませんがこれがむつかしい(笑)。たまに逆に悪くすることがあります。例えば汗を出させすぎてしんどくなる、こんな時の処方もちゃんとあるので昔から治し損ねて慌てるということはしょっちゅうあったのでしょう(笑)。
今回の私の経過は典型的でしたが、中には汗が出て喉が渇き水分を摂るが体が焼けて暑く高熱が続くことがあります。熱症、傷寒論では陽明病という状態です。こうなると熱を冷ます白虎加人参湯や銀ちょう散(桔梗石膏と清上防風湯)が必要です。便が固くなり便秘して腹が張り痛むなら承気湯類、体力によりますが強いものから大承気湯、調胃承気湯、小承気湯(麻子仁丸で代用)で便を出すと熱は下ります。ただ実際は非典型例も多く、例えば熱は高く体は焼けるが汗は出ない場合は葛根湯に白虎加人参湯や桔梗石膏を加えるそうです。
今回私が麻黄湯を頻回にのんでも汗が出ず良くならなかったのは大青竜湯と違い麻黄湯が弱いのと、もっと体を温める必要があったためと思います。汗は出ないが体は焼けてなかったので陽明病でなくまだ太陽病だろうと思い風呂に入ったのは正解でした。
風邪の時風呂に入ってかまわないか尋ねられますが、体が焼けて熱い時は止めたらいいです。寒気がする時は入ったらいいです。とくにさむくてガタガタ震える(悪寒戦慄)時に風呂に入るとすごく楽になります。(6月1日)
7月になりました。今年は雨が多くうっとうしい日は続いています。
今のような蒸し暑い日は血圧が下がりやすいです。私は血圧が低めのため良く立ち眩みがします。過去4回血圧が下がって失神したことがありますが、いずれも6月でした。立ち眩みがある時は血圧を測ってみたらいいです。上が100以下なら脱水の可能性があります。水分を十分とってみてください。降圧剤を飲んでいてそれでも上がらないなら降圧剤を減らすとよいです。今が一番血圧が下がる時期です。冬は上がります。以前と比べると血圧を低めにコントロールするようになったので下がりすぎることも良くあります。上手く薬を加減することです。一般には高圧利尿剤から減らすことが多いですが、原発性アルドステロン症の方は利尿剤でも抗アルドステロン剤は減らさずそれ以外の降圧剤から減らしたらいいでしょう。わからない時はかかっている先生に相談すればいいです。
水分不足で膀胱炎になる女性の方が多くなる時期でもあります。水分を摂っていても排尿間隔が伸びてきたり尿の色が濃ゆくなってきたら脱水です。あわてて水分を摂りましょう。排尿を我慢しないことも大切です。
一番は脱水で具合が悪くなることを防ぐことです。脱水すると血栓の原因になり、脳梗塞や心筋梗塞になることがあります。よくあるのはふくらはぎ等の筋肉が痙攣します。
汗は意外に大量に出るものです。体が濡れるくらい出た汗は500-1,000mlだそうです。夏に日向で仕事をする方に伺ったら飲む水分は5lといわれた方がおいでました。このように大量に水分を摂る場合は水に少量塩を入れる必要があります。1lに1gと言われています。大体5lのやかんに1つまみ位だそうです。塩が多いと逆に口が渇きます。少量の塩が無いと体に水分が残らず、すべて尿となって出てしまいます。日本人の食塩摂取量は多いので、少量の水分の場合は塩を入れる必要はないです。スポーツドリンクは砂糖が多いので水分補給だけの目的には好ましくないでしょう。
脱水後水分を摂っても意外に十分でないこともあります。私が運動した時、運動中や帰ってきてからもしっかり水分を摂って、きちんと尿も出て大丈夫と思っても、夜体重を測ったら0.5-1kg減っていることがしばしばあります。500-1,000ml水分を失ているのです。なぜかは良くわかりませんが、私はどちらかというと塩分摂取量が少ないので、水とともに摂る塩分が足りないのか、水が筋肉に行き渡るのに時間がかかるためかなあと思っています。要注意です。
熱中症にも要注意です。いくら水分を摂っても暑いと熱中症になります。エアコンや扇風機で体を冷やしたうえで水分を十分摂りましょう。とくに扇風機だは水分を多く失うので十分水分を摂ることです。筋肉のけいれんには芍薬甘草湯が有名ですが、体が焼けてしんどい時は白虎化人参湯、水分を失ってしんどい時は五苓散、脱水後しんどいのが続く時は清暑益気湯等も有効です。(7月1日)
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