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とんぼ院長の目
9月になりましたが、まだまだ暑い日が続いています。皆様大丈夫ですか?夏の間冷たいものを摂りすぎているとこの時期食欲が落ちたりしんどくなったり、いわゆる夏バテの症状が出てしまいます。アイスクリーム等の冷たいもの、スイカ等の夏の果物は体を冷やします。体の外から冷やすのはいいですが、体の中から冷やすと体調を崩してしまいます。お気をつけください。夏バテでしんどければ夏バテの薬を取りにおいでください。
適応障害(はっきりした原因があり原因を取り除くと比較的早期に回復するもの)やうつ病による抑うつ状態でおいでるかたが多いです。若い方やだ男性の方で2‐3回来られて少しよくなった後診察に来られなくなる方が結構おいでます。
先日警察から亡くなっていた(おそらく自殺でしょう)方がおいでた、その方はうちのクリニックの診察券を持っていたので病歴を教えてほしいとの電話がありました。カルテを見てみると4年前に3回診察に来られて少し楽になったと言われその後診察においでてなかったです。その後どうだったかは分かりません。おそらく治療を中断してしばらくは良かったでしょうが、薬の効果が切れてくると少しずつ調子が悪くなり、悪くなったら病院に行く気力も無くなり、すごくつらくなり死にたくなり、つらさから逃れるため自死してしまったのでしょう。うちのクリニックの診察券を持ってくださっていたというのは診察に行く気が少しはあったということでしょう。なんとか来てくださっていれば結果は変わっていた可能性があったのにと悔やまれます。
うつでクリニックを受診された方は最初強い不安感をお持ちのかたが多いです。不安感が強く色々と苦痛を訴えられます。ゆっくり全てを受け止めてさしあげないといけないのですが、十分お話を聞く時間が取れずはっしょってしまうことも多く心苦しく思っています。
不安感が強いとちょっとした体調の変化や薬の副作用で余計に不安になることが多いです。このため治療開始時は気を使い少しでも不安感を与えないように工夫します。不安になり治療を続けられなかったり、薬を減量せざるを得なくなり治療が停滞してしまうことを避ける必要があるためです。このため治療開始時はこまめに診察をして調子に応じて薬を調整すべきなのですが、遠方のためか診察にくるのもしんどいためか(その気持ちはよくわかりますが)薬を長期間出すようご希望される方が多いです。このため工夫をして少しずつ増やすように処方することが多いですが、本来は症状を見ながら調整していくべきなので稀に上手くいかないこともあります。
診察にきて同じ薬を1か月位服用すると良くなるのではないかと思われている方が多いようで、最初から薬を1か月分ご希望される方が多いです。薬はその方の症状に応じて少しづつ増量、変更していき元のお元気な状態に戻ることを目指します。そのため最初はこまめに診察に来て薬を漸増したほうが上手くいくことが多いです。
また薬を使うと直ぐ良くなると期待されている方も多いです。つらい状態から早く解放されたいお気持ちはよくわかりますが、早く効く薬でも効きだすのに1週間はかかります。普通の抗うつ薬は3‐4間かかって効いてきます。このため早く良くしようとすると早く薬を増量する必要があるのですが、あまり早く増量しすぎるとイライラ、ソワソワしてしまうことがあります(アクチベーション症候群)。大多数の方は良くなるので少し焦らず良くなるのを待っていただきたいです。あまりにも焦燥感が強い場合は抗精神病薬を使います。
逆に薬を使ってあっという間によくなる場合は躁うつ病(双極性障害)を疑います。うつがすっきり良くならない時も躁うつ病を考えます。その時は治療を変更します。
うつ状態は治りにくいですし再発しやすいです。治療をして良くなり半年を経過して治療を止めた場合6割の方はそのまま良くなっていたというデータはあるそうです。その場合も4割の方は悪化したということですから再治療して経過を見ながら何時治療を終了するか探るることになります。焦ってはいけません。上手くうつと付き合いながら治療終了を目指すのです。完全に治療を止めるのではなく休薬していても症状が少しあれば早めに治療再開して悪化させないように上手く付き合ている方も多いです。うつで苦しかったことが頭から離れずなかなか薬を中止できない方もおいでます。そういう方には時々薬を休んでみたらとお話しすることもあります。そうして日常生活支障がないようにすることが大切と思います。
調子に良い状態が続くといろんなことが出来だして自信がついてきて、物事のとらえ方が変わり、前向きになってきて回復してくるのだろうと思います。薬や医者は患者さんが回復してくるのをお手伝いしているのだろうと思っています。(9月1日)
10月です。彼岸花が咲き朝夕は涼しくなりやっと秋めいてきました。
インフルエンザ予防接種はいつからかをよく尋ねられます。流行期に入ったという報道がされ確かにA型インフルエンザの患者さんが時々おいでますが、まだ大きな流行になってないです。
湿度が低い時、咳などで飛んだ飛沫は急速に水分を失い小さくなって軽くなり長時間空中を浮遊するため遠くまで飛び多くの人に感染してしまいます。湿度が高いと飛沫は小さくならないためすぐ落ちてしまい遠くまで飛びません。このため暖かい時期は流行が大きくなりにくいです。
インフルエンザワクチンは大体5ヶ月有効なため9月に接種すると2月に効果が切れてしまい大きな流行になることが多い2‐3月をカバーできません。このため10月中旬以降の接種が望ましいです。ただ状態が悪く少しの風邪で呼吸困難になるような呼吸不全や心不全のかたは早く接種して春にもう一度接種するほうが良いかもしれません。鼻からのワクチンもできていますが効果が今のところ弱いようです。
定期接種の肺炎球菌ワクチンが新しくなっています。65歳以上の高齢者の死因の第3‐4位は肺炎です。以前のワクチンは効果が弱く5年しか効果が続かないですし、古くなったためワクチンに入っていて効果がある菌で起こる肺炎が減ってきためです。新しいワクチンは1回接種でずっと効果が持続しますし有効な菌の種類が多いです。ただ時間がたってきたらまた新しい菌が増えてきて効きが悪くなるでしょうが。一番新しいワクチンは自費ですが有効な菌の種類が一番多く1回の接種でずっと効果が続きます。古いワクチンを打った多くの方はこのワクチンの再接種がいいでしょう。インフルエンザワクチンと一緒に接種できます。ご希望の方は予約してください。
新型コロナウイルスワクチン接種も始まります。若い方は多くの方が自然感染して抗体を持っているため感染しても軽症で普通の風邪と区別がつきません。高齢者の方は他人との接触が少ないためか自然感染で得られる抗体を持っていない方が多くいるようです。高齢になって心臓や肺に病気をお持ちの方は接種したほうが良いです。高齢になっても活動的で多くの人と接触するほうが良いでしょう。そうするといろんなウイルスにさらされて抗体を獲得できます。
子宮頸がんもウイルス感染で起こります。先日高知新聞でイギリスの子宮頸がんがワクチン接種で激減したという記事がありました。ヒトパピローマウイルスで起こるのですが先進国はどこもワクチン接種が進み感染を根絶しようとしています。ただ日本は接種率が低いです。日本での死亡者数は交通事故死亡者数に匹敵しています。接種券がきている女の子はぜひ早く打ちましょう。早ければ2回接種でいけます。無料の接種を逃すと数万円の費用が必要になります。ご希望のかたはご予約ください。
帯状疱疹ワクチンも公費負担接種です。子供の水痘ワクチン接種が普及してきて子供の水痘が減っています。今までは水痘にかかった子供から水痘帯状疱疹ウイルスをもらいそれにより免疫が
維持されていたのですが、水痘の子供が減ったため免疫力が維持できなくなったしまっています。そのため最近は帯状疱疹の方が増えています。帯状疱疹はよほど全身免疫が低下しない限り命にかかわることはないです。適切に治療すれば帯状疱疹後神経痛もよくなります。このためワクチン接種するか悩まれる方もおいでると思います。ただ良くなるとはいえしばらく痛い目にあうこともあります。自費なら高額ですが公費負担ならしたほうが良いと思います。(10月1日)
11月になりました。朝肌寒い日がやっと出てきました。
今日は休日ですが当番医のため患者さんがまあまあおいでます。鼻風邪、お腹かぜ、咳風邪が多くたまにA型インフルエンザの方もおいでます。
クリニックにはいろんな苦痛を訴える患者さんがおいでます。苦痛は主観的なものですからご本人しかその苦痛はわからないことがあります。高齢者は重症であっても苦痛がすごく少ないことがあり注意が必要です。かと思うと非常に軽症であったり異常が無かったりしてもすごく苦痛が強いこともあります。耳鳴りは通常ほとんどの方にありますがあまり気にしていない方が大半です。ところが非常に苦痛を感じる方もおいでて米国では耳鳴りを苦痛にして自殺される方が多いとのことです。そのためなんとか苦痛を和らげてほしいとクリニックにおいでるのです。
ずっと強い苦痛があった方が別のもっと強い苦痛の病気になったり癌や命の危機になったりしたとたんに前の苦痛が気にならなくなるということもよく経験します。治療してもなかなか強い苦痛が
取れないこともあります。あの手この手を使いよくなるようにするのですがこうすればかならず良くなるという方法がないので苦労します。すごく強く苦痛を訴えてくる方は疲れますがまだ大丈夫、苦しいが訴えが少ない方は注意が必要と思います。
自殺者が一番多いのは抑うつ状態(うつ病や適応所外等)ですので、抑うつ状態が苦痛の中では一番つらいのかもしれません。不眠が続いたら要注意、気力低下、気分が沈み何をしても楽しくない、頭に霞がかかる、食べてもおいしくない、不安感が強い、将来に希望が持てない、もがいてももがいても進めない等を訴えられます。あまりにつらいと死にたくなります。苦痛を訴える力も無く多くを訴えない方もおいでます。自分は大丈夫と思っている方も多いと思いますが、誰でも強いストレスにさらされると簡単に抑うつ状態になります。我慢せずに早くきちんと治療をして楽になることです。
先日なかなか心療内科の予約が取れないので診断書をもらうためネット診療を受けたという方がおいでました。すごい高額の費用がかかり出された薬が抗うつ薬でなく習慣性があるため好ましくないベンゾジアゼピン系睡眠薬だけを処方されていました。良心的な診療をされている方も多いとは思いますがお気をつけください。うつの薬は習慣性は無く治療して良くなれば止めることができます。早くよくなって元気を取り戻し自信を回復することです。(11月3日)
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