診察スケジュール
 
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外来診療について
肺、腹部、骨のレントゲン、心電図、血液検査、尿検査、超音波検査などを行い、総合的に心身を診ております。どんな病気の方でも気楽にご相談においでください。広い点滴スペースがあり、通路をへだてて薬局もあります。買い物ついでにお立ち寄りください。
入院が必要な時は、軽症のかたでご希望があればいの町内の病院に、高度医療が必要なら高知市内の専門医の病院に速やかに入院を手配しております。安心しておいでください。
特定健診、予防注射、各種健康診断は随時おこなっています。詳細はお電話にて問い合わせください。
とんぼ院長の目
2月になりました。寒い日が続いています。インフルエンザは少し下火になりましたが、新型コロナウイルス感染の方は時々おいでます。
風邪薬を飲むと風邪の直りが悪くなる可能性が高いです。風邪薬といっても風邪を治す薬ではなく、症状を軽くする薬です。そもそも風邪のウイルスを抑える薬は、インフルエンザと新型コロナウイルスに対する薬があるだけで、そのほかのウイルスに有効な薬はありません。溶連菌による咽頭炎や扁桃炎(喉の痛み)はペニシリンなどの抗生物質が効きます。細菌性の肺炎も同じですが、ウイルス性のものは抗生物質は効きません。抗ウイルス剤でも新型コロナウイルスには有効率が低いです。
うがいをされるかたもおいでると思います。内科医会だったと思いますが、うがいをした群としなかった群をくらべたら、うがいをしなかったほうが直りが早かったとのことです。うがいをすると病原菌以外にも有用菌も死ぬため、病原菌を抑えられなくなるのではないかとのことです。うがいは水道水くらいの弱い消毒作用のあるもので十分なようです。
さて風邪薬ですが、その成分は痛みや熱を軽くする消炎鎮痛剤と、鼻水や咳を軽くする抗ヒスタミン剤が中心で、それに咳止めや痰切りなどを加えたものです。体温が高いと代謝が活発になって免疫の働きがよくなるため熱が出ているのです。それを抑えると直りが悪くなります。軽い炎症ならすぐに治るため、熱を下げても問題はないのですが、インフルエンザのように強い炎症の際、熱を下げると悪化することがあり、直りが悪くなることをよく経験します。有名なのは子供に強い解熱剤を使っておこるライ症候群で命にかかわることがあります。カロナールのようなアセトアミノフェンは効き目は悪いですが、副作用も少なく頻用されるのです。
麻黄剤のような漢方薬は飲むと寒気がなくなり体は楽になりますが、熱は上がります。熱を上げて早く治そうとするためで、その後速やかに良くなってくることが多いです。効くときは葛根湯1服でスパッとよくなることもありますが、うまく当てるのがむつかしいです。体質、症状、起こってからの時間によって有効な漢方薬はそれぞれ異なります。当たらなければあまり効きません。しかし悪さをすることは少ないです。葛根湯のような麻黄剤は都会では胃腸障害などの副作用を出すことが多く使いにくいとのことですが、高知ではかなりの高齢のかたも飲めてよく効いています。どこか忘れましたが、別のところから千葉県の外房に移った医師のかたが、外房では葛根湯が良く効くので驚いたと書かれていたのを読んだことがあります。
新形コロナウイルス感染で高熱を出すかたは減ってきましたが、デルタ株が流行った頃は高熱の方に強力な大青竜湯を中心に漢方薬を使ってよく効いていました。かなりのご高齢の方でも高熱のある時は飲めています。インフルエンザでも同じように症状のきつい時、強い麻黄剤で始めて毎日薬を変えていくことはあります。大体よく効いています。効かないときは薬の変更が必要です。良く効くため新形コロナウイルス感染ですごく高い抗ウイルス剤を使うことは皆無でした。早いかたはその日か翌日には楽になっていました。
そもそも漢方薬は病原菌に対する治療薬がない時代にできたもので、ウイルス感染は有効な薬がないということは昔も今も変わりません。使い方がむつかしいのが難点ですが、うまく使うと良く効くことがあります。私もまだまだ勉強が足りないと思いますが、患者さんのために勉強を続けたいと思っています。(2月1日)

3月になりました。
急に暖かくなりましたが、これから杉花粉が大量に飛ぶと思われます。私の花粉症は幸いにも軽いのですが、大量に飛散している時は換気口から入ってくる花粉に反応するので、ああ今は多いのだとわかります。今年の花粉量は例年よりずっと多いと予想されています。今まで花粉症の症状がなかったかたも発症する可能性があります。
この時期鼻水が出たら、風邪か花粉症かはわかりません。血液検査をするか、鼻水に好酸球がたくさん含まれているか調べるとわかりますが、治療法はあまり変わらないので調べることは少ないです。
アレルギーを抑える抗ヒスタミン剤には眠気のあるものが多いです。眠気は個人差が大きく、私は以前は眠気が強いほうでした。最近ほとんど眠気のなく効果も強いものが出ているので、それを投与することが多いです。眠気を意識してないかたでも、テストをすると作業効率は落ちているとのことです。これで抑えきれなければ小青竜湯が効果的で、眠気をおさえてくれる作用があります。ごくまれに胃の刺激で食欲が落ちたりすることがあります。それでだめなら局所ステロイド剤の鼻噴霧も使います。それでもだめなら眠気はありますが古い抗ヒスタミン剤です。さすがに全身ステロイド剤の投与をうけられているかたは見られなくなりましたが、これは副作用が強いのでご注意ください。
舌下免疫療法といって少量の杉花粉エキスを口の中に入れて慣らしていくというものがあります。効果はかなりあるようですが、今は杉花粉エキスの供給が止まっているとのことです。最近の薬の効きが良くなったのと、2年間症状の無い期間もずっと続けなければいけないので、なかなか続かないようです。
息子の恵悟が手伝ってくれだして患者さんの待ち時間がだいぶん短くなってきています。彼は最近風邪をひきやすくなたとぼやいています。私もしょっちゅう風邪をもらいますがすごく軽いです。彼は今までこんなに風邪の患者さんを診てなかったので免疫がついてないためでしょう。一通り風邪の洗礼を受けたら、書状は軽くなると思います。(3月1日)

4月になり寒い日と暖かい日が交互で三寒四温です。
先日1回1錠つまり1日3錠服用する薬を1回3錠服用された方がおいでました。なんで間違ったのかは不明です。処方箋は以前は1日分と日数で記入するものでした。1日3錠5日間なら3錠x5日という書き方でしたが、最近1回量と飲む回数と日数つまり1錠x3回x5日と書くこともあり両方の書き方があります。その方はひょっとすると薬袋を見ずに処方内容が書かれた明細書を見て別の医療機関で以前書かれたのが1錠x3回x5日というのでそれに慣れていて勘違いされたのかもしれません。薬剤師さんにはお伝えして注意するよう話ましたが、皆様お気をつけください。
高知では季節の変わり目に調子を崩される方がおいでます。4月になって明るくなりだいぶん気候が安定してきてよくなってくる頃です。精神的に調子が悪くなってしまった際は仕事ができなくなり収入がなくなり十分治療できなくなる方がおいでます。そういう方を助けるために自立支援という制度があります。それを申請すると医療費が軽減されます。本来もっと治療を強化すべき方でこのままでいいと言われる時は経済的な問題で十分治療できないことも多いです。その際は自立支援制度のことをお話ししますが、ご希望があれば受け付けなり私なりにお伝えいただければ書類に記入します。遠慮なくお伝えください。(4月4日)

5月になりました。朝寒い日がありますが、日中はすっかり初夏のような日もあります。
4月から帯状疱疹ワクチン接種の補助がはじまりました。帯状疱疹はこの地区では「あわよ」と呼ばれるようです。粟よ(よはよくわかりません)と書くのでしょうか。
水痘帯状疱疹ウイルスにかかったあとウイルスは神経節に潜んでおり免疫が衰えた時に再活性化して特定の神経に沿って水泡をおこします。最近子供に水痘帯状疱疹ウイルスワクチンを接種しているため、水痘になる方が少なくなり、以前はそういう方からウイルスをもらって免疫のブースターになっていたのが今はその機会が減ったため帯状疱疹が増えており、高齢者に多いです。
ほっておいても治るのですが、帯状疱疹後神経痛といってしつこく強い痛みが残るため、その予防に早く治るよう治療を行います。それでも強い痛みが残ることが多いと言われているためワクチンがあるのです。不活性ワクチンの方が効果が強く、効果も長いですが、2回接種が必要で費用が高く1回7,000円の自己負担が必要です。当院は申請が遅れてしまい接種可能医療機関リストに載ってないですが接種はもちろん行っています。
命にかかわるというものではないので、接種するかどうかは個人の判断になります。というのは、私が医師になってずいぶん沢山の帯状疱疹の方を診てきましたが強い神経痛が残ってしまった方は皆無なのです。発症時よりきちんと神経痛対策をしていればすっきり治りますし、他院で治療して痛みが残った方もちょっとてこずりますが大体神経痛は収まります。軽い痺れ感は残ることはありますが。私自身帯状疱疹後神経痛でてこずったことはないのです。もちろん帯状疱疹にならないことがいいので、打ったほうがいいかと尋ねられると打ったほうがいいと答えています。
先日百日咳を思わせる咳を訴える患者さんがおいでました。百日咳に迅速検査キットが現在入手困難なためあてずっぽで百日咳に効く処方をしました。百日咳は特徴的な咳でなければそのほかの急性気管支炎、要するに咳風邪とは区別がつきません。怪しい時は百日咳に効く薬を出しますが、見逃していることもあると思います。咳は急性気管支炎、感染後咳嗽、アトピー咳嗽、咳喘息、逆流性食道炎による咳、しつこいなら結核などの感染症、間質性肺炎などの疾患など多くの疾患がありそれぞれ治療法は異なるので直りが悪い時はきちんと診断をつけることが大切です。(5月1日)